憧れの人
わたしには憧れのひとがいる。
そのひとは、わたしに無いものをたくさん持っている。
感覚が都会的で、知的で、敏感で、ムズカしい話もできるけど
やさしくて、人に対して丁寧で、面白い。
多くの人に評価され、出会うひととは深い繋がりを育てていける。
行動力があって、柔軟で、いつも謙虚。
趣味も多彩で深い。
そのひとと同じものを選んだり、いいと思えたりしたら、自分のことまで「ステキ!」なんて思えたりする。
でも、いつからだったんだろう。
なぜそんな風に思ってしまったのかわからないけど、どうやらわたしはそのひとに
「嫉妬」をしていたようだった。
それまではまっすぐにそのひとのことを見れていたと思うのに、
いつからか、自分とそのひとを比べて、そのひとには到底近づけない自分が抱く劣等感を
変なカタチでそのひとに向けてしまったのだろうと思う。
やっと気がついた。
認めることができた。
わたしはそのひとに憧れていたのだ。
うらやましがるのではなく、ただ素直に、素敵なひとが身近にいるんだと、
そのことに感謝すればいいのだ。
気になって仕方がないのは、わたしがそのひとに憧れているからなんだ。
比べなくたっていい。
わたしはわたし。
そのひとに、ただ純粋に憧れる、という大切な気持ちを思い出し、抱いていよう。
ライバルなんていらない。
大事なのは自分がどうありたいか。
誰かと競うことは時に有効なのかもしれないけど、そのときの自分の内面は、きっと豊かなものであるとは言えないように思う。
ある人に言われた。
「競おうとしない、ということは、同じ土俵にすら上がれていないんじゃないか」
プレゼンに負けても悔しがらないわたしに、上司は言った。
「悔しがらなきゃ次、勝てない」
どれも正論で、それに対する明確な持論も反論もわたしの中にはない。
何が正解かなんてわからない。
自分にとってのルールを探している。
ただ、わたしは、人と比べるという終わりの無いループから抜け出したいと願うだけ。
その方が、何かを作るときに、そのものにまっすぐ向き合えるような気がするから。それだけ。
by ikumishikawa
| 2013-07-28 16:22
| クリエイティヴなこと